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法律行為論は法律(法規)と契約を人為法(規範)化する原理的トリック理論



 第一部
  第4章



 法律行為論
  法律(法規)と契約を
  人為法(規範)化する
   
原理的トリック理論


  ――社会的合意=法規(法律)と当事者間合意=契約を
    法律行為と偽装することによって
    人為法(規範)・実体法幻覚化する原理的トリック理論が
    法律行為論






1 法律行為とは合意のことであり
 それ自体には絶対(規範)性はない

2 幻覚国家を後ろ盾にした人為法幻覚
3 法律行為論は
   法律(法規)と契約を
  人為法(規範)化する原理的トリック理論

4 一定の事実があれば一定の法律効果がある
  という人為法の大前提が虚構・幻覚

5 則人為法絶対自由資本主義
  人工市場似非社会化完全犯罪







1 
法律行為とは合意のことであり
  それ自体には絶対(規範)性はない


「公の秩序又は善良の風俗に反する事項を目的と
する法律行為は、無効とする。」(民法第90条)とは、
全ての人が社会(国家)の中で他者と共に、生きていく
(健康で文化的な生活を営んでいく)べし、とする自然法
(超法規社会規範)に反する合意は、社会的合意(法律
(法規))であれ、当該行為の当事者間合意(契約)
であれ、無効だ、という意味。
「意思表示は、法律行為の要素に錯誤があったときは、
無効とする。」(民法第95条本文)とは、合意に人権侵害
阻害をもたらすような重要な錯誤があったときは、その
意思表示は無効だ、という意味。
法律(法規)は人権を擁し資し進歩向上を促すための
方策・制度を約する社会的合意。
契約は当該行為に係る人権擁し資し進歩向上を促す
ための当事者間合意のこと。
合意(社会的合意=法律(法規)と当事者間合意(契約))が絶対
(規範)化されていたのは、則人為法絶対自由資本主義人工市場
似非社会時代の幻覚にして詐術。


図O-4―人為法(擬似規範)は
    法律行為トリックによって規範としてでっち上げられた
    合意(法律と契約)
図O-4―人為法(擬似規範)は法律行為トリックによって規範としてでっち上げられた合意(法律と契約)






2 
幻覚国家を後ろ盾にした人為法幻覚

 法律行為論を熱心に説いていた我妻榮博士は、
こう言っていた。
曰く。
 「近世法は、人類文化の発達の成果として、全ての個人に
ついて権利能力を認め、社会生活における独立の主体たる
地位を与えた。
そして、この権利能力者(人格者)が具体的な生活関係を形成
する手段は、私有財産と契約自由とである・・。」
 「しかし、それにしても、個人意思のみが社会生活関係を規律
すべき絶対者だとする理想は、到底維持されるべきものではない。
契約自由の原則は、現代法の下においては、当然、その絶対性
を奪われるべきである。
それは、契約自由の原則を妥当ならしめる論理的前提たる、
社会人を人格者とみる法律理想を棄て、社会人を一の『人間』と
みる法律理想に移ろうとすることの当然の帰結でもある・・。」
(我妻榮「新訂民法總則(民法講義Ⅰ)」
岩波書店235頁236頁以下)、と。


一方で契約自由の原則の絶対性を説き、他方でそれを否定する、
という矛盾は、法律行為論が、はじめから破綻している証拠なの
である。
人間は、近代則人為法絶対自由資本主義似非社会時代においても、
自由意思人ではなかったのである。


図Q―則人為法絶対自由資本主義似非社会
   後ろ盾措定幻覚国家








3 法律行為論は
   法律(法規)と契約を
  人為法(規範)化する原理的トリック理論


法律が国家の規範である、というのは幻覚でしかない。
(絶対万能主権)国家そのものが(絶対万能)法律(人為法)の
後ろ盾として措定された幻覚なのである。
法律行為論というのは、社会的合意である法律(法規)と当事者
間合意である契約とを「意思」としてまとめた上で、それを幻覚
国家を後ろ盾にした幻覚法律が「欲するがままに認める」という、
法律(法規)と契約を人為法(規範)化する原理的トリック理論で
ある。


曰く。
「1.法律行為
(1) 意義
法律行為とは意思表示に基づいて法律関係を形成する行為
である。
法律行為の基本は、各人がその意思に基づいて自由に財産
のやりとり等をおこなうことにある・・から、意思表示が、その
本質的な要素をなす。」
(TAC公務員講座編「第9版公務員Vテキスト1民法(上)」
30頁)、と。


曰く。
「(1)  法律行為とは何か
法律行為とは、意思表示を構成要素とし、その意思によって
欲せられたとおりの権利義務関係の設定・変動が生ずる行為
のことです。」
(早稲田経営出版「2018年度版行政書士基本テキスト
368頁以下)、と。


曰く。
「第4 法律行為
[1] 定義
法律行為とは、意思表示を要素とし、かつ、これに基づき私法的
効果を生ずる法律要件である。
この定義に従って説明する。
法律行為は、法律要件のひとつである。
法律要件とは、権利の発生・変更・消滅という法律上の効果を発生
させる生活関係をいうのであるが、法律行為はその中で最も重要な
地位を占める。
・・・・
[2] 意思表示
法律行為は、意思表示を要素とする。
したがって、意思表示がなければ法律行為は成立しない。
意思表示とは、当事者が一定の私法的効果を欲する意思(効果
意思)と、かつ、それを発表する行為(表示行為)である。
効果意思には、効果に対する欲望を必要とし、かつ、その欲望は
私法上の効果に対することを要する。・・・」
(松本幸一「丹羽重博編著やさしい法学[第2版]」法学書院
231頁以下)、と。


曰く。
「1⃣ 法律関係の変動――法律要件と法律効果
(1) 概念の整理
実体法の規律パターンは、一般に、《一定の要件が存在すれば、
一定の効果を生ずる》、という形態をとる・・。
この規律関係は、より厳密にいえば、一定の「法律要件」のもとに、
一定の「法律効果」――法律関係の変動――が発生する、という
ことであり、ひとつの社会学的な因果関係である・・・。
さて、法律効果を発生させるところの原因である「法律要件」は、
個々の「法律事実」という素因に分析することができる。・・・
(a) 意思表示・法律行為
個々の法律事実のうちで最も重要なものは、法律効果の発生を
意欲する「意思表示」である・・。
そして、この意思表示を基本要素としている法律要件が「法律行為」
である・・・。」
(近江幸治「民法講義Ⅰ民法総則〔第6版〕」成文堂
167頁以下)、と。


曰く。
 「民法上の権利・義務は、一定の事実を原因として発生・変更
・消滅(総称して変動と呼ぶ)する。
この権利変動の原因となる事実を法律要件、それに基づいて
生ずる結果を法律効果という。
 例えば、甲所有の土地につき甲・乙間で売買契約があると、
甲の有していた土地所有権が乙に移転するという効果が生ずる。
この場合は、甲・乙間の売買契約が法律要件である。
あるいは、甲が死亡すると、甲の土地所有権は相続によって乙に
移転する。
この場合の法律要件は甲の死である。
このように、法律要件は、人の精神作用に基づく契約などの適法
行為や不法行為、人の精神作用に基づかない人の生死や時の
経過など、さまざまあるが、特に重要なのは契約である。
 契約は原則として当事者に権利と義務を生じさせる。
売買によって買主は目的物の所有権を取得する権利を有する
とともに、代金を支払う義務を負う。
義務は負担となるが、だからといっていったん契約した場合には、
約束は守られなければならず、当事者は義務を履行する責任を負う。
このような契約の拘束力は何に由来するのであろうか。
平等にして自由である私人相互の間で一方が他方に対し義務を
負い拘束される根拠を、近代法は、その人の意思に求めた。
代金を支払うべき義務を負うのは、その者がその物を買おうと欲し、
自らの意思で売買契約という拘束力を持つ法律関係に身を置いた
からにほかならない。
あるいは自らの土地を他人が利用するのを許容しなければなら
ないのは、自らの意思でその他人に地上権・賃借権という自己の
土地を利用し得る権利を認めたからである。
このように意思に基づく拘束力という考え方は、意思に基づいて
権利変動が生ずるという発想を生み、意思を要素とする法律行為
という概念をもたらした。
法律行為とは、意思表示を要素とする私法上の法律行為と定義
され、意思表示は、効果意思・表示意思・表示行為によって組成
される、と分析されるのである。」
(全訂版図解による法律用語辞典(自由国民社)34頁)、と。


①「法律行為とは、意思表示を構成要素とし、その意思に
よって欲せられたとおりの権利義務関係の設定・変動が
生ずる行為のことです。」
(早稲田経営出版「行政書士基本テキスト」)、
と措定した上で、
②それ自体は、
社会的合意=法規(法律)・当事者間合意=契約
にすぎないものを、
③そういう法律行為と偽装することによって
④人為法(規範)・実体法としてでっち上げる
原理的トリック理論が法律行為論だ、と考えられてくる。






4 
一定の事実があれば一定の法律効果がある
  という人為法の大前提が虚構・幻覚


図O-3― 一定の事実があれば一定の法律効果がある
      という人為法の大前提が虚構・幻覚






5 
則人為法絶対自由資本主義
  人工市場似非社会化完全犯罪


図V―則人為法絶対自由資本主義
   人工市場似非社会化完全犯罪